アンカテのエイプリルフール記事がおもしろかった

アンカテのエイプリルフール記事がおもしろかった。
日本復興に必要な創造力の量はインターネットをもう一回作るくらいの量 - アンカテ
以下、ネタバレあり。
日本に住んでいるベテラン技術者が、架空の日本を想像して、同僚だか友達だかと会話をしている。そんな話。架空の日本から架空の日本を想像してるのかな?と読み進めていくと、なんかどうも途中から違って、架空の日本から現実の日本を想像した会話になってくる。

「そういえば、その夢の世界ではもう一つおかしなことがあってね。電力も集中処理なんだ」
「配電も中央がまとめてやるってこと?」
「そう、各家庭にあるのは、ブレーカーとメータくらいで全然処理能力ない、っていうかCPUがない」
「じゃ、変電器もばかでかいんだ。変電所とかいう名前で」
「そう、本当に変電所という名前の建物があって、それが何千だか何万人分だかまとめて管理してて、家庭内には一切変電機能がないの」
「それは技術的に成立するのか?末端の需要予測に関するデータを一切ネットワークに流さないの?それじゃ無駄が多くなるんじゃないの?」
「そうだよな。いくら夢の中でもあれはあり得ないな。電力の中央制御なんて」
「そしたら、発電機が一つつぶれたら停電しちゃうんじゃないの?」

たしかに、発電機が遍在する世界から見たら、発電機が1コ停止した程度で右往左往する世界なんて滑稽に見えるんだろうなー。そう考えると、もしかしたら今後、各家庭で発電装置(ソーラーパネルとか)を持つのはあたり前、なんて時代がほんとうに来るのかもね。さらにいうと、高温超電導の技術が普及したら、太陽が昇ってる国で発電して、太陽が沈んでる国におすそわけする、なんて時代がほんとうに来るのかもね。
なんかオラ、ワクワクしてきたぞ!

で、ちょっと話は変わるけど、この前のみずほの障害についても考えてみたい。なんかついったーでみんなのつぶやきを見てると、設計がおかしいんじゃないの?バカなの?みたいな意見が多かったんだけど、僕はそんなに単純なことではないと思っているんだ。みんなはいつもwebを使って、リクエストを投げてレスポンスとして返ってきたページを見る、ということを行っていると思うけど、コンピュータを使ってお金を取引する、っていうのはそんなに単純なことじゃないんだ。webサーバはふつう、接続してきたユーザがどういう素性かなんて気にしないと思うけど、お金の取引の場合、いろいろ気にしなきゃならない。

  • 盗まれたカードじゃないかしら(取引禁止フラグ)
  • 本人は既に死亡してるはずなんだが・・・(本人死亡フラグ
  • 犯罪者から犯罪者への送金じゃないかしら(アンチマネーロンダリングとか)

・・・というように、義援金を100円送るだけでも、その裏では膨大な処理が動いているんだ。インターネットの場合、どこかのサーバが重かったら「じゃあ俺がミラーサーバ立ててやるよ!」みたいな感じに、処理を分散させることもできるけど、お金の取引の場合、どこかが中央集権的に監視しなきゃいけないから、それはできない。
アンカテの今回のエントリでは中央制御→分散・協調というパラダイムシフトが語られているけど、銀行の場合中央制御はし続けなきゃいけなくて、で、周りから見ると中央制御を行っているように見えるんだけど、中央制御のフタを開けて見るとものすごい数のサーバで分散処理をやってる!というような感じに今後はなっていくのかなあ。