脳が冴える15の習慣 を読んだ

脳が冴える15の習慣(asin:4140882026)を読んだ。連想が発生したところだけメモ。

まず生活の原点を作ることが大切。朝一定の時間に起きよう(p.31)

目が覚めるためにはたしか、太陽の光を浴びるといいんだよなー。なんでだっけな?と思って探してみたら、あったあった。

太陽光を浴びることによって、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌がストップされます。
また、脳の覚醒を促すホルモンであるセロトニンの分泌が活発になります。
ハピラボ 太陽の日光を浴びる - メラトニン・セロトニンの働き


脳にもウォーミングアップが必要。足・手・口を意識して動かそう(p.31)

これを読んで、養老さんの「文武両道」の捉え方を思い出した。

文武両道の「文」とは、脳への入力です。本を読んでも話を聞いても、人に会っても森を散歩しても、脳へのさまざまな入力が生じます。脳はその入力情報を総合して出力をします。その結果が「武」でしょ。入力だけじゃあ、ただのスポンジです。水を吸い込むだけ。出力だけでは、ひたすら動き回っているバカ、コントロールの壊れたロボット。  養老孟司の<逆さメガネ>p.89(asin:4569630839


集中力や頭の回転の速さは、それ自体を「上げよう」と思っても上げられない(p.45)

じゃあ、どうすればいいの?という問いに対するハックがたしか Lifehacker に書いてあったな。あったあった。

先延ばしをヤメにする唯一の方法は、終わっていない仕事に取り掛かること。(中略)キーとなるのは、これをできる限り簡単なものにして、取り掛かれるようにすることだ。仕事に取り掛かれるように自分で自分を騙してみよう。これにはほんの数分でいいから、この仕事をするように誓いを立てること―――数分。終わりが見えないなんてことはない。数えるくらいの短い時間でタイマーのブザーがなれば終了だ。  Lifehackerハック64:タイマーを使って、ダッシュで仕事を片付けよう(asin:4756149499)


脳も筋肉と同じように疲労し、その疲労は十分な睡眠を取らなければ回復されません。(p.48)

これについては池谷裕二さんが真逆の言い方で同じことを言ってておもしろい。

脳はいつでも元気いっぱいです。ぜんぜん疲れません。寝ているあいだも脳は動き続けます。一生使い続けても疲れません。「脳が疲れたなぁ」と思わず言いたくなる時でも、実際に疲れているのは「目」です。  海馬 p.105(asin:4255001545)

整理しなければならない情報がたくさんたまった状態のことを築山さんは「疲労した」と言っているわけですな。これについては池谷さんの言い方のほうが好きだな。

夜は情報を蓄える時間に向いている。考えを大ざっぱにまとめ、早く寝よう(p.54)

これについては実際の体験が STUDY HACKS! に載っている。

睡眠時間をしっかりとったほうがかえって勉強がはかどるという結果になるのです。今では、平均7.5時間眠るようにしています。仕事もして、執筆もして、そのほかコーチングなどもしていると、「そんなに寝る時間があるの?こなせるの?」といわれるのですが、最近ではむしろ、「それだけ寝ないととても対処できない!」と思うようになっています。  STUDY HACKS! p.120(asin:4492042989)


家事や雑用を積極的にこなすことは、前頭葉の体力を高める訓練になる(p.71)
些末な選択・判断を効率化させるルールを持っておくと、脳の力を有効に使える(p.81)

ちょっと関係ないけど、中島さんのイベントドリブンの記事を思い出した。

そんな複数の仕事を同時にこなしている彼女たちにしてみると、自分がそれぞれの仕事のどのステップにいるか(つまりcontext)を常に完璧に把握しておくことは不可能に近い。手続き型のレシピのままで作業をしようとすると、それぞれの仕事において自分が何をしておくのかを把握しておくだけで頭がパンパンになってしまうし(memory overflow)、頭の切り替え(context switch)にやたらと時間がかかって作業効率が落ちてしまうからだ。
 そこで、パンの発酵中にはタイマーをしかけておき、タイマーが鳴ったところで「あ、キッチンでタイマーが鳴ってる。えっと、何のタイマーだっけ。そうだ、そうだ、パンの二次発酵中だったんだ。じゃ、次はオーブンの温度を上げてと…」というイベント・ドリブンな仕事の仕方をしているのだ。
Life is beautiful: 優秀な主婦はイベント・ドリブン(event-driven)方式でパンを焼く


100個の問題を、たとえば五種類の問題に分類して、A、B、C、D、Eの案件があるという風に整理するから、大ざっぱに覚えていられる。さらにそのAの問題にはa、b、c、d、eという問題があるという風に整理するから、後でAの案件の中にあるaの問題には、 (p.89)

これはディレクトリ構造で分別していくやり方。電子メールに限った話で言えば、毎日何十通、何百通と「読まなければならない」メールが来るような環境の場合、これではスケールしない。この例えで言えば、bという問題がA、B、C、D、Eという案件それぞれに存在して、それを横断して見たい、というときに手間がかかってしかたがない。単純に時系列に並べ、たとえばA案件のb問題の場合、「A」タグと「b」タグを付けておく。検索はコンピュータやらせる。「Aかつbのメールを表示せよ」というふうに指示すれば一発だ。

脳の健全な働きを保つには、目を動かして積極的に情報を取ることが必要(p.109)

これは池谷さんも同じことを言ってる。

海馬にとっていちばん刺激のあるものは空間の情報です。つまり、旅をするほど海馬に刺激が与えられると推測できます。  海馬 p.175(asin:4255001545)


話が通じないのは相手のせいと考えてはいけない。相手の身になって考えよう(p.143)

これはプログラムを書く人はふつうに分かる話だと思う。プログラムは書いたとおりにしか動かない。「思った通り動かない」のではなく、「動かないように書いてある」のだ。
⇒関連 ホワット・ア・ワンダフル・ワールド プログラムにバグは存在しない

高血圧になると、それを血液から十分に取れなくなり、思考が長く続けられなくなったり、感情を抑制できなくなったりする。(p.147)

ほっへー。食べ過ぎると頭が悪くなる、ということですな。

イデアは情報の組み合わせと考える(無から有は生み出せない)(p.171)

これも池谷さんが同じことを言ってる。

ものとものとを結びつけて新しい情報をつくっていくことが、脳のはたらきの基本です。脳は、毎日出会っている新しい情報がどういうものなのかを分類しています。そして、何かを解決したい場合には、まったく関係のないように見える情報どうしをとっさに結びつけるのです。  海馬 p.104(asin:4255001545)